リーダーが紡ぐ組織力

3/30 12:09  メルマガより


連載:第46回 リーダーが紡ぐ組織力

教育で人は変わらない。

社長の信念が証明した「人が辞めない組織」の作り方

BizHint 編集部

2025年1月8日(水)掲載

社長が始めた組織改革にベテラン社員が反発し、大量退職業績悪化危機に直面した株式会社カワキタエクスプレス。

合計で150人以上もの退職者を見送った川北辰実社長は「教育で人は変わらない」という気づきを得ました。

その気づきから理想の組織をつくりあげる術を見出し、徹底していった結果、離職率はピーク時の65%から5%に激減。

業界未経験者の積極的な採用・育成に成功し、長年の赤字体質からも脱却しました。

自らの信念を貫いてきた川北社長に、改革の道のりと経営者の覚悟について伺いました。




川北:

「教育で人は変わらない」 ということ。

マナーやスキルを高めるためのいろいろな研修を実施してきましたが、 相手に変わる気がない限り、どんなに教育をしても人は変わりません。 

中には、私が借金の肩代わりをしたり、家庭問題のフォローをしたりしても、恩を仇で返すような形で去っていく人もいました…。

そういう経験を重ねる中で、「そもそも人は変わらないのだ」という考えに至ったんです。




川北:採用時の「見極め」 です。

採用の時点で、「この人は私や会社の考えに共感できるか」「素直な心があるか」を見極めるようになりました。

この方針に至るまでに時間がかかりました。

特に徹底するようになったのはここ2~3年ですが、そこから離職率や定着率が大きく改善してきました。



当社の経営の目的は「全ての人の幸せの追求です。

辞める人にも幸せになってほしい。

ただ、この会社では幸せになれないと思うなら、別の場所で幸せになってもらった方がいい。そう考えています。



この仕事に誇りを持ち、いきいきと働いて、お客様の喜びを感じられる。

そういう社員がいれば、

  会社は必ず伸びます。

 仕事の質を上げようと努力するし、事故も起こさない。

それが信用となってお客様が増える。

値上げをしても、「カワキタさんが値上げするのは仕方ないね」と受け入れていただける。それが回り回って、みんなの収入につながります。




川北: 

そうですね。最初は0.3人分くらいの仕事から始めて、徐々に一人前の仕事ができるようになってもらえればいいと割り切っています。


マナーやモラルを教えるのは大変ですし、そもそも人の習慣考え方変わらない ですからね。



川北: 

昔は元気が良くやんちゃな人がいいと思っていましたが、最近は大人しく真面目な人の方が当社に合っていると感じています。

真面目で、他人を思いやる素直な人

コミュニケーションが苦手で、他社では自分を出せなかったような子が、当社に入って堂々と挨拶できるようになり、みんなと仲良く過ごしている。

そういう姿を見ると嬉しいですよね。



――そのような人材を見極めるポイントはありますか?

川北:

特に重視しているのは応募者の価値 で、面接用のシートに「仕事(会社)を選ぶ上で重要なポイント」の優先順位を記入してもらっています



職場の雰囲気や人間関係の良さを1位・2位とする人は、当社にマッチしやすい傾向がありますね。

じっくり話を聞くと、「前の職場ではこんな人がいて…」といった不遇な経験を語られることが多いんですよ。

その場合は「うちにはそんな先輩はいないから大丈夫」と伝えています。



どん底に陥ってしまったとしても、

経営者の「やる気」さえあれば会社は必ず良くなる



――組織改革や人材の採用・育成成果が出ているですね。

川北: 

そうですね。社員全員が会社の状況を理解していますから。

まだ銀行からの借り入れが残っていて、金利を負担していることも。

でも稼げる会社になれば、その分を給料に回せる。

だからこそ、仲間を大切にして、人も増やして、事故なく、お客様から信頼される仕事をしていかないといけない。

そういう話を何年も伝え続けています。



私の覚悟が決まったのは、大量退職があった2011年です。

苦しみながらも「この社屋を授かったのだから、危機乗り越えられる」と信じました




川北: 

今の社屋は2007年、2.5億円を投資して建てました。

当時の売上は2億円程度でしたから、通常なら通らないような融資を受けることができたんです。

もし神様がいるとしたら、5年でつぶれるような会社にこんな建物は与えないはず。

建物を与えられたのは、私が目指したものを達成できるからだ。

それならば、いくら苦しくても逃げてもしょうがない、迷ってもしょうがない。

信じて進むしかない。そう思ってきました。


「トラックドライバーを若者が憧れる職業にする」という目標の達成度は、当社の中では60%ほど。

業界全体で見るとまだ10%程度だと感じています。

物流・運送業界のポジティブな面に注目してもらえるよう、2024年7月には当社オリジナルのトラックドライバーの応援歌「Connect」を制作してYouTubeなどで配信したり、Podcast(ネットラジオ番組)の配信といった取り組みも行っています。



株式会社カワキタエクスプレス (貨物運送業/社員数35名※2025年1月現在)

代表取締役 川北辰実さん

1964年生まれ。

三重県出身。

宅配便配達のアルバイトをきっかけに物流業界に携わり、1989年に個人事業として創業

1998年に法人化し、貨物のトラック輸送、国内外の引越、国際物流などを手掛ける。

日本貨物運送協同組合連合会理事、三重県トラック事業協同組合連合会会長を務め、業界全体の発展にも注力している。




コメント欄にも 👀を 





習慣や考え方は変わらない について

わたしは 変わると 思っている

信仰の道に入って  変化が 少しずつでは ありますが

過去の自分を    見つめてみる時に

その胸中に     素直さ 正直さ が  あるならば



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