水戸学(みとがく)は、
江戸時代に水戸藩で形成された学風で、
儒学・国学・史学・神道を融合させ、
天皇の権威を尊重しながら幕府と協力して
国を保つという尊王論を基本とします。
第2代藩主・徳川光圀の『大日本史』編纂事業に端を発し、
第9代藩主・徳川斉昭のもとで尊王攘夷思想へと発展しました。
この思想は
幕末の尊王攘夷運動や明治維新に大きな影響を与え、
近代日本の形成にも関わりました。
じつは、日本人らしい所作や美徳は、
偶然生まれたものではありませんでした。
江戸時代の儒学者や政治家が「人間はいかに生きるべきか」という問いに
正面から挑み、思想として築き上げたものなのです。
西洋に人権思想や自由の理論があるように、
日本にも誇るべき学問がありました。
現代では日の目を浴びることがなくなってしまった、
その学問こそが...「水戸学」です。
明治維新の華々しい発展の影で、
「日本らしさ」を失わないように苦悩した男たちや、
大東亜戦争の敗戦を経験してもなお、
世界と戦える国に復興した裏側には、
必ずと言っていいほど、日本思想の原点でもある水戸学がありました。
戦後には、教えが書かれた書物が、GHQによって禁書に指定され、
今を生きる日本人は、ほとんどがその存在すら知らないでしょう。
しかし、水戸学は、私たち日本人が二百年以上かけて
「日本人とは何か」「幸せに生きるとは何か」を考え抜いた知恵の結晶。
今なお 色あせることなく、現代の私たちが直面する
「生き方の迷い」へのヒントを与えてくれるのです。
水戸学の中心人物は誰ですか?
それまでただの「学問」であった
「水戸学」を国体に関わる「思想」として
大成させたのが藤田東湖なのです。
また、彼はただの思想家というだけでなく、
徳川斉昭の行なった藩政改革の中心人物として
水戸の財政改革と逃散と人口減が当たり前であった
水戸藩内の安定に活躍します。
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