家康の遺訓

人の一生は重荷を負て遠き道をゆくか如し

  いそくへからず

    不自由を常と思へばふそく無し

      こころに望み起こらば困窮したる時を思ひ出すヘし

    堪忍ハ無事長久の基
  いかりハ敵と思ヘ

    勝事はかり知りて
      負くる事志らされハ害其身にいたる

        お乃れを責て人をせむるな

          及ばざるハ過ぎたるよりまされり 

                            慶長九年卯月  家康


人の一生は
  重い荷物を背負って
    遠い道をゆくようなものである。


  急いではならない。


     不自由を常と思えば不足もない。


心に望みが起きれば
  困窮した時を思い出せ。


    堪忍は無事長久の基、
       怒りは敵と思え。


  勝つことばかり知り、
      負けることを知らなければ
            害がその身にいたる。


おのれを責めて人をせめるな。


    及ばざるは過ぎたるよりまさる。




戒律
徳川家康によって起草された人生の成功の秘訣。

日光東照宮のコレクション



この言葉は将軍退任の際に書き留められたもの。

目撃者には本多正純 (1565–1637)と2人の僧が含まれた。

原典は、
 栃木県日光市にある日光東照宮のアーカイブにある。






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