人の一生は重荷を負て遠き道をゆくか如し
いそくへからず
不自由を常と思へばふそく無し
こころに望み起こらば困窮したる時を思ひ出すヘし
    堪忍ハ無事長久の基
  いかりハ敵と思ヘ
    勝事はかり知りて
      負くる事志らされハ害其身にいたる
お乃れを責て人をせむるな
及ばざるハ過ぎたるよりまされり
                            慶長九年卯月  家康
人の一生は
  重い荷物を背負って
    遠い道をゆくようなものである。
急いではならない。
不自由を常と思えば不足もない。
心に望みが起きれば
  困窮した時を思い出せ。
    堪忍は無事長久の基、
       怒りは敵と思え。
  勝つことばかり知り、
      負けることを知らなければ
            害がその身にいたる。
おのれを責めて人をせめるな。
    及ばざるは過ぎたるよりまさる。
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